純米大吟醸「三光洸雲(さんこうこううん)」
このお酒に使われている原材料は「雄町米だけ」です。
雄町米は岡山県が発祥の品種で、岡山県で全国の八割以上を生産する岡山を代表する酒米です。山田錦の先祖に当たり素晴らしい酒米でありながら栽培が難しく、近年復活するまでは幻の酒米とされてきました。
当蔵では山田錦に始まり、雄町米の契約栽培を始め約二十年。良い酒米の栽培指導に尽力された故・永谷正治先生の指導を受けた地元新見市の農家が、一反一反心を込めて栽培した上質の雄町米。上流には民家がなく鯉が窪湿原からの清流が流れ込み、米作りに良いとされる寒暖差のある山間の棚田で栽培しています。
仕込水は中国山地の中心の地であるこの上神代(かみこうじろ)にある三光山の麓から湧く井戸の水。口当たり柔らかなこの水は当蔵のすべての水を賄う命の水で、当蔵の創業者は良い水を求めてこの地に蔵を建てました。
雄町米の純米大吟醸の仕込みは特に慎重な仕込みとなります。
大吟醸としての風味と雄町米の特徴である深みのある味わいを最大限引き出すため、当蔵ではあえて精米率を49%まで米を磨き上げました。厳寒の季、張り詰めた緊張感の中、精米された雄町米を少量ずつ秒単位ですべて手洗いします。そしてそのお米を昔ながらの甑蒸しを行い麹造り、酒母(もと)、仕込み、昼夜を問わず手入れを行いじっくりと醸します。
造り手は伝説の名杜氏と言われた「高垣克正」の後継者、杜氏「山上道広」。
二十年以上の酒造経験を持ち、杜氏になってすぐにいくつもの賞を受賞する、これからが期待される杜氏の一人。「雄町米は杜氏の腕を試す米」と称されるほど扱いにくい米でありますが、見事に醸してみせました。
最高の雄町米を全量使用し、「米」「水」「技」の三つの光(三光)を集めたことで、雄町米の旨み、深みのある味わいを出しつつ、大吟醸としての上品さと香りを併せ持つ至高の純米大吟醸を醸すことができました。
氷温貯蔵で熟成を行い、いま、静かに出荷の時を待っております。
「洸雲」の名の由来
「三光」を一つの文字とした「洸」
「雲」の間から力強く大地に降り注ぐ光のような生命力にあふれたお酒。
洸雲=幸運 として運気を上げるような縁起のよい響き。
当蔵最高位のお酒にふさわしい文字をとの思いから、独創的かつ斬新な個展や作品などで国内外より今注目を浴びる書道家「武田双雲」先生にお願いし、力強くも温もりのある文字で表現していただきました。
全国新酒鑑評会でも3年連続金賞を受賞した三光正宗から、至高の純米大吟醸「洸雲(こううん)」=幸運をお届けいたします。
どうぞご堪能ください。