純米吟醸「三光彩雲(さんこうさいうん)」
このお酒に使われている酒米は「雄町米」だけです。
雄町米は岡山県が発祥の品種で、岡山県で全国の八割以上を生産する岡山を代表する酒米です。山田錦の先祖に当たり素晴らしい酒米でありながら栽培が難しく、近年復活するまでは幻の酒米とされてきました。
当蔵では山田錦に始まり雄町米の契約栽培を長年続け、良い酒米の栽培指導に尽力された故・永谷正治先生の指導を受けた地元新見市の農家が、一反一反心を込めて栽培した上質の雄町米。上流には民家がなく鯉が窪湿原からの清流が流れ込み、米作りに良いとされる寒暖差のある山間の棚田で栽培しています。
仕込水は中国山地の中心の地であるこの上神代(かみこうじろ)にある三光山の麓から湧く井戸の水。口当たり柔らかなこの水は当蔵のすべての水を賄う命の水で、当蔵の創業者は良い水を求めてこの地に蔵を建てました。
雄町米の純米吟醸酒の仕込みは特に慎重な仕込みとなります。
吟醸酒としての風味と雄町米の特徴である深みのある味わいを最大限引き出すため、「彩雲」では精米歩合を55%まで米を磨き、香り高いなかにもしっかり旨みを感じられるお酒に仕上げました。厳寒の季、張り詰めた緊張感の中、精米された雄町米を少量ずつ秒単位ですべて手洗いします。そしてそのお米を昔ながらの甑蒸しを行い麹造り、酒母(もと)、仕込み、昼夜を問わず手入れを行いじっくりと醸します。
造り手は杜氏「山上道広」。
二十年以上の酒造経験を持ち、杜氏になってすぐにいくつもの賞を受賞する、これからが期待される杜氏の一人。「雄町米は杜氏の腕を試す米」と称されるほど扱いにくい米でありますが、見事に醸してみせました。
最高の雄町米を全量使用し、「米」「水」「技」の三つの光(三光)を集めたことで、雄町米の旨み、深みのある味わいを出しつつ、吟醸酒としての上品さと香りを併せ持つ至高の純米吟醸酒を醸すことができました。
氷温貯蔵で熟成を行い、いま、静かに出荷の時を待っております。
「彩雲」の名の由来
「彩雲」とは雲の一部が虹色に色づいて見える現象で、昔から吉兆のしるし・縁起の良いものと言われてきました。幸運を予感させる「三光彩雲」が皆様に幸せをお届けできることを祈って命名いたしました。
パッケージには特殊な印刷技術を使用し、立体的に彩られた色鮮やかな仕上がりになっています。
三光正宗から純米吟醸酒「彩雲」をお届けいたします。
どうぞご堪能ください。