2月22日に第一弾アップということも決まり、まずは和歌山貴志駅のたま駅長に仁義を通しに出かけた。
なぜ瀬戸内でもない和歌山のたま駅長にご挨拶するかといえば、たま駅長と両備には深い関係があったのだ。
なかなかローカル線は厳しい現状。
和歌山と貴志川を結ぶ貴志川線を南海電鉄が路線廃止した後、両備グループの岡山電気軌道が経営を引き継ぐ事になった。
駅周辺整備の際、立ち退きを迫られた猫小屋の飼い主が小嶋社長に猫たちを駅舎に住まわせてもらえないかと相談。
たまちゃんと目があった社長はその目にすっかりほれ込んだ。
“招き猫になって欲しい”との願いから、利用者に親しまれていたたまを駅長に任命。
2007年正式に就任したたま駅長の話題はTVや新聞にも取り上げられた。
主なる業務は客招き、報酬はキャットフード一生分。そのうちネコノミクスの火付役とも言われるほどの人気者となったたま駅長はその功績を認められ、社長代理まで上り詰める。
役員報酬はなんと貴志駅の新駅舎!2015年死去ののちも貴志駅のたま神社に奉られ、たま大明神となった名誉永久駅長たまは利用者の安全を見守り続ける。
地方公共交通事業を救う救世主で「同じ猫として鼻が高い!」とダヤン。
なぜ瀬戸内でもない和歌山のたま駅長にご挨拶するかといえば、たま駅長と両備には深い関係があったのだ。
なかなかローカル線は厳しい現状。
和歌山と貴志川を結ぶ貴志川線を南海電鉄が路線廃止した後、両備グループの岡山電気軌道が経営を引き継ぐ事になった。
駅周辺整備の際、立ち退きを迫られた猫小屋の飼い主が小嶋社長に猫たちを駅舎に住まわせてもらえないかと相談。
たまちゃんと目があった社長はその目にすっかりほれ込んだ。
“招き猫になって欲しい”との願いから、利用者に親しまれていたたまを駅長に任命。
2007年正式に就任したたま駅長の話題はTVや新聞にも取り上げられた。
主なる業務は客招き、報酬はキャットフード一生分。そのうちネコノミクスの火付役とも言われるほどの人気者となったたま駅長はその功績を認められ、社長代理まで上り詰める。
役員報酬はなんと貴志駅の新駅舎!2015年死去ののちも貴志駅のたま神社に奉られ、たま大明神となった名誉永久駅長たまは利用者の安全を見守り続ける。
地方公共交通事業を救う救世主で「同じ猫として鼻が高い!」とダヤン。
というわけで、たま駅長に会いに貴志川線和歌山駅のささやかなホームで待つ中、滑り込んできたのはたま電車じゃなくてうめ星電車。
ちょっとがっかりしたものの、これが予想を裏切るかわいさだった。
美味しそうな梅干し色の電車に乗り込めば、その車内のなんと凝っていること。
すべての窓は組み木細工で飾られ、梅マークの和モダンのれんがかけられている。
木製の吊り手にもひっそりと梅型が隠され、木製の天井にも梅模様。
木枠に布張りの座席は実に様々な形と色合い。
ちょっとがっかりしたものの、これが予想を裏切るかわいさだった。
美味しそうな梅干し色の電車に乗り込めば、その車内のなんと凝っていること。
すべての窓は組み木細工で飾られ、梅マークの和モダンのれんがかけられている。
木製の吊り手にもひっそりと梅型が隠され、木製の天井にも梅模様。
木枠に布張りの座席は実に様々な形と色合い。
なんとも贅沢なうめ星電車。これで紀州産梅干しのおにぎりが出ればいう事なし!
この電車を作ったのは、かの有名な九州のななつ星を作った水戸岡鋭治さん。
素材へのこだわりがしっかりしている中にユーモアとペーソスがあって、とことんテーマを追いながらもどこか力が抜けていて、私はこの方が作る電車がすっかり好きになった。
− うめ星可愛い!−
さて貴志駅で私たちを迎えてくれたのは駅長室に鎮座するよんたま駅長。
貴志駅勤務はニタマとよんたまが交代で駅長を務め、さんたま(SUNたまたま)はなぜか岡山勤務。
緑の瞳がきれいなよんたま駅長は、ダヤンのモデルとなったダヤンと同じように左目の周りが眼帯をかけたように黒くて親近感がわく。よんたまの名の通り、駅長としては一番新米ながらも、なかなかふてぶてしい面構えで物おじせず、風格すら感じられる。
貴志駅勤務はニタマとよんたまが交代で駅長を務め、さんたま(SUNたまたま)はなぜか岡山勤務。
緑の瞳がきれいなよんたま駅長は、ダヤンのモデルとなったダヤンと同じように左目の周りが眼帯をかけたように黒くて親近感がわく。よんたまの名の通り、駅長としては一番新米ながらも、なかなかふてぶてしい面構えで物おじせず、風格すら感じられる。
− ダヤン、よんたま駅長に仁義を通す −
今日は震えるほど寒い。
売店のカフェでホットドッグならぬホットキャットとココアをいただく。
売店のカフェでホットドッグならぬホットキャットとココアをいただく。
ちょっとあったまったところで外に出て、珍しく雪をかぶった貴志駅をスケッチ。
これももちろん水戸岡さん作。猫に模した駅舎の屋根に空いた瞳が妖しくて猫っぽい。
− 怪しくてやがておかしき 貴志駅舎 −
駅舎の前に置かれたたま駅長のイラストパネルが、寒い中で絵を描く私を「こいつはだれだ?何やってんだ?」というように興味津々見つめている。
イラストもすべて水戸岡さん作だが、絵と立体ではずいぶんテイストが違う。
イラストもすべて水戸岡さん作だが、絵と立体ではずいぶんテイストが違う。
帰りは運よくたま電車に乗ることができた。
ひとつの車輛には初代たま駅長の思い出がぎっしり詰まっている。
− 初代たま駅長の写真が車内の床から見つめている −
この車輛で一番気に入ったのは、ソファと並んだ二脚の座席。前脚は美しくカーブした普通の椅子なのに、後ろ脚は背とともに木から生えているみたいで面白い。しかも二脚は微妙にデザインが違う。
こんなデザインをする人もすごいけれど、その通りの電車を作ってしまう両備という会社の懐の深さもすごい!
こういう電車で通学すればどんなに楽しいかと思うけど、乗り合わせた学生たちは慣れているのか、車内には目をやらずスマホばかり見ている。
こんなデザインをする人もすごいけれど、その通りの電車を作ってしまう両備という会社の懐の深さもすごい!
こういう電車で通学すればどんなに楽しいかと思うけど、乗り合わせた学生たちは慣れているのか、車内には目をやらずスマホばかり見ている。
− たま電車のおしゃれな座席でくつろぐダヤン −
たま駅長へのご挨拶も無事終わり、さあ、新たなスケッチ旅の始まり、はじまり!
作家プロフィール
池田あきこ
東京、吉祥寺生まれ。
1976年、革工房わちふぃーるど設立。
1983年、初の直営店を自由が丘にオープン。ショップのシンボルマークとして『猫のダヤン』が誕生した。
1987年より不思議な国わちふぃーるどを舞台に絵本を描き始め、画集、長編物語、旅のスケッチ紀行など多方面に作品を発表。著書は130タイトルを超える。
1999年、初の原画展全国ロードを開始。
2010年から「ボルネオ緑の回廊」プロジェクトで、動物たちに安全な森をプレゼントする活動を続けている。
2018年、立体的に世界を楽しむ「猫のダヤン35周年 ダヤンと不思議な劇場 池田あきこ原画展」を松屋銀座を皮切りに全国ロード開催。河口湖木ノ花美術館にて常設展開催中。
2023年6月28日より猫のダヤン40周年記念展『池田あきこ原画展ーダヤンの不思議な旅』を銀座松屋で開催。
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