「ジュエリーは生まれかわれる。そして、過去から受け取った想いを未来へも繋いでいけるのです。」

そう教えてくださったのは、宝飾店ベルアージュカネダの三代目 金田憲尚氏。
倉敷市水島で地域に根ざした営業を続けています。
「ベルアージュ」とはフランス語で「美しい宝物」の意。
目には見えない人と人との“きずな”を、ジュエリーという形にして残すことを理念に掲げています。

1964年、初代 金田武雄氏は、日本有数の臨海工業地帯として発展を遂げていた水島地区に、ジュエリー時計販売店「金田時計店」を創業。地域の人々との関わりを大事にし、一代で地域一番店に発展。上空にセスナ機を飛ばしてお店の宣伝を行うなど、豪快な広告活動に取り組み、金田時計店の確固たる地位を築きました。
そんな中、初代武雄氏は54歳で急逝。27歳の若さで二代目金田尚氏が代表取締役社長に就任することになりました。苦労を重ねながら、お客様に支えられて事業を拡大し、先代からの大切なバトンをつないできました。そして平成10年に現在の場所に「ベルアージュカネダ」として移転しました。
三代目の金田憲尚氏は、東京や大阪で10年間にわたりジュエリーの流通やデザインについて学び、様々な経験を積んできました。そしてこれらの経験を故郷である岡山に持ち帰り、新たに令和4年に「オーダーメイドリフォーム事業」を立ち上げました。

「お客様と共に作り上げるジュエリー」をモットーに、一点一点を手作りで製作しています。思い出の詰まったジュエリーや譲り受けた品は、お客様にとって、かけがえのない世界に一つだけの大切な宝物。それを、ライフスタイルに合わせたデザインへと変えることで、さらに新たな思い出を刻むことができるのです。

指輪の地金を再利用して、ネックレスやイヤリングへの新たな命の吹き込みを、経験豊富な職人が真心を込めて対応しています。金田氏が描くスケッチを通じて、完成形のイメージを共有しながら、最適なプランを提案するのも魅力のひとつです。

この唯一無二のジュエリーの製作に欠かせないのが、日本でも数少ない鍛造（たんぞう）職人による技術です。鍛造とは地金を叩いて圧をかけ、思い通りの形に仕上げていく製法で、一般的な鋳造より約３～５倍の強度と、滑らかな仕上がりは無限のデザインを実現してくれます。
当店専属の鍛造職人に意図を直接伝える事が出来る為、お客様の希望を細部まで反映させることができるのです。

「ジュエリーとは、一過性のアクセサリーではなく、世代を超えて再生し続けられる価値あるものなんです」と言う金田氏の信念のもと、素材やデザインにこだわり、心に響くジュエリーを生み出しています。

その信念は、素材の選定からデザイン、製作、販売、アフターケアに至るまで、すべての工程に細やかなこだわりとなって現れています。
そして、大切な思い出や人生の節目の、それぞれの瞬間に込められた想いやストーリーを大切に形にします。

このように細部までこだわり抜いたジュエリーだからこそ、一生の宝物として輝き続け、お客様の心に深く刻まれる特別なものとなっているのです。

金田氏は、2026年までにオリジナルジュエリーブランドの確立を目標に掲げています。
YouTubeやSNSを活用しながら、ネットショップで厳選したセレクト品やオリジナルジュエリーの販売に向けて発信を強化しています。

「創業60周年を迎えるにあたり、お客様目線のアットホームな店作りで地域の人々とともに歩んできた歴史を大切にしながら、より多くの人にいつまでも愛されつづけるジュエリーを届けていきたい」と金田氏は語ります。