



ゆっくり「とうーふー」と言っては、低い音・高い音の二音を鳴らして売り歩いた豆腐売り。
今ではすっかり目にする事もなくなり、豆腐と言えば大量生産されたものをスーパーに買いに行くのが普通となった。 そんな筆者もスーパーでそれを手にしている一人である。
大量生産の豆腐とは一線を画す『手造り豆富』に徹底してこだわる「星尾豆富店」を紹介する。同店は大正8年備前市日生で創業、105年もの歴史を重ねる。 現在の店主4代目星尾純一さんと、修行中の井上悠(ゆたか)さんに話をうかがった。
今ではすっかり目にする事もなくなり、豆腐と言えば大量生産されたものをスーパーに買いに行くのが普通となった。 そんな筆者もスーパーでそれを手にしている一人である。
大量生産の豆腐とは一線を画す『手造り豆富』に徹底してこだわる「星尾豆富店」を紹介する。同店は大正8年備前市日生で創業、105年もの歴史を重ねる。 現在の店主4代目星尾純一さんと、修行中の井上悠(ゆたか)さんに話をうかがった。


なにかと手間と時間の掛かる仕込み
仕込み作業は、なんと前日の午前中から作業を開始するという。まずは大豆を洗い、水を含ませる。冬などは気温が低いため吸水に時間を要し、一日以上漬けておく事もあるそうだ。大豆にはこだわり、北海道音更の音更大袖振(おとふけおおそでふり)、新潟産の肴豆(さかなまめ)、北海道十勝産トヨムスメ3種類を組み合わせる。
コーヒー豆のブレンド同様、各々の長所を活かす事で、単一品種で作るものと比較し、深みとコクが増すそうだ。 大豆の産地選別には労を惜しまず、前年の全国の天候、気温などを勘案して使用する大豆を選別している。 さらに大豆は産地の農園と直取引しているという徹底ぶりだ。
仕込み作業は、なんと前日の午前中から作業を開始するという。まずは大豆を洗い、水を含ませる。冬などは気温が低いため吸水に時間を要し、一日以上漬けておく事もあるそうだ。大豆にはこだわり、北海道音更の音更大袖振(おとふけおおそでふり)、新潟産の肴豆(さかなまめ)、北海道十勝産トヨムスメ3種類を組み合わせる。
コーヒー豆のブレンド同様、各々の長所を活かす事で、単一品種で作るものと比較し、深みとコクが増すそうだ。 大豆の産地選別には労を惜しまず、前年の全国の天候、気温などを勘案して使用する大豆を選別している。 さらに大豆は産地の農園と直取引しているという徹底ぶりだ。
吸水した大豆は、内部が石臼状の構造となっている豆摺機にかけ、ペースト状にしていく。
この段階で、軟水製造機で硬度を1以下に下げたこだわりの軟水(水道水の硬度は35)を加水する。軟水を使用する事により、マグネシウムと大豆に含まれるたんぱく質との結合がなくなり、柔らかい豆富になる。また、鮮度も保ちやすくなるという効果も期待できる。
このペースト化した大豆は「呉(ご)」と呼び、呉を釜でゆっくり煮てろ過すると、豆富の原料となる豆乳と、固形のおからとなる。
この段階で、軟水製造機で硬度を1以下に下げたこだわりの軟水(水道水の硬度は35)を加水する。軟水を使用する事により、マグネシウムと大豆に含まれるたんぱく質との結合がなくなり、柔らかい豆富になる。また、鮮度も保ちやすくなるという効果も期待できる。
このペースト化した大豆は「呉(ご)」と呼び、呉を釜でゆっくり煮てろ過すると、豆富の原料となる豆乳と、固形のおからとなる。


中国地方初の三重釜製法と職人の技術が光る攪拌
星尾豆富店では、この釜を中国地方では初となる三重釜を使っている。三重釜は通常の釜とは違い、三層構造となっている。
そのため直火ではなく間接加熱で蒸らす事が可能となる。直火にかけてしまうと釜内部に結露し、余分な水分が混ざってしまうが、三重釜では結露せず、大豆の旨味を最大限引き出せる。
この後、豆乳とにがりを独自の技術で攪拌(かくはん)するのだが、「ここからの過程が豆富作り職人としての経験と勘が必要で、豆富作りの難しさと面白さを味わえるんですよ」と星尾さん。
星尾豆富店では、この釜を中国地方では初となる三重釜を使っている。三重釜は通常の釜とは違い、三層構造となっている。
そのため直火ではなく間接加熱で蒸らす事が可能となる。直火にかけてしまうと釜内部に結露し、余分な水分が混ざってしまうが、三重釜では結露せず、大豆の旨味を最大限引き出せる。
この後、豆乳とにがりを独自の技術で攪拌(かくはん)するのだが、「ここからの過程が豆富作り職人としての経験と勘が必要で、豆富作りの難しさと面白さを味わえるんですよ」と星尾さん。
豆乳は濃度計を使い一定濃度を保ち、木綿・絹豆富各々専用の器と攪拌用具で対流を起こす様に攪拌し、にがりと混ぜ合わせていく。
攪拌と言えば、単純に混ぜ合わせるだけと考えがちだが、毎日の気温、湿度などの外部環境や、大豆の保管期間による酸化の程度等も考慮して行う慎重な作業となる。さらに音更大袖振は、たんぱく質含有量が多く美味しい豆富を作れる半面、固まりにくく扱いにくい。柔らかさを保ちつつ、固めていくのが難しい。
職人の技で出来上がった豆富は、水を張られたシンク内で仕上を行い、機械によりパックされ、5℃の冷水で急冷する事で滅菌されてようやく完成となる。
筆者も手作り豆富をいただいたが、これまで食べた豆富とは全く別次元の美味しさであった。
攪拌と言えば、単純に混ぜ合わせるだけと考えがちだが、毎日の気温、湿度などの外部環境や、大豆の保管期間による酸化の程度等も考慮して行う慎重な作業となる。さらに音更大袖振は、たんぱく質含有量が多く美味しい豆富を作れる半面、固まりにくく扱いにくい。柔らかさを保ちつつ、固めていくのが難しい。
職人の技で出来上がった豆富は、水を張られたシンク内で仕上を行い、機械によりパックされ、5℃の冷水で急冷する事で滅菌されてようやく完成となる。
筆者も手作り豆富をいただいたが、これまで食べた豆富とは全く別次元の美味しさであった。


星尾豆富店 4代目店主 星尾 純一さん
ホテル勤務の後、当時3代目店主であった父に反対されながらも、京都・大阪で豆富作りの修行を積み四代目に。
現在は5代目となるべく修行を積む、井上悠(ゆたか)さんと共に日々こだわりの豆富作りに励む。
実直で優しい笑顔からは想像出来ないほどの豆富作りへのこだわりが垣間見えた。(写真:右)
ホテル勤務の後、当時3代目店主であった父に反対されながらも、京都・大阪で豆富作りの修行を積み四代目に。
現在は5代目となるべく修行を積む、井上悠(ゆたか)さんと共に日々こだわりの豆富作りに励む。
実直で優しい笑顔からは想像出来ないほどの豆富作りへのこだわりが垣間見えた。(写真:右)
ご説明頂く中、何度も『豆富づくりはストーリーなんです』と言われた星尾さん。
大豆選びから始まり、職人の経験と技で、最高の味わいを奏で、お客様の『美味しい』の一言で心が満たされる。
大量に出るおからの再利用という新しい取り組みにも挑戦している。
現在修行の身である井上悠さんに、その最高のストーリーを引継ぎ、進化していく。
大豆選びから始まり、職人の経験と技で、最高の味わいを奏で、お客様の『美味しい』の一言で心が満たされる。
大量に出るおからの再利用という新しい取り組みにも挑戦している。
現在修行の身である井上悠さんに、その最高のストーリーを引継ぎ、進化していく。


作りたての逸品『おぼろざる豆富』
そのまま食べても大豆の甘みとコクが味わえる。
少量のオリーブオイルや、岩塩などと食べても美味しい。
そのまま食べても大豆の甘みとコクが味わえる。
少量のオリーブオイルや、岩塩などと食べても美味しい。