今回の瀬戸内の人は小豆島・土庄町にある、224ワイナリーの志賀氏にお話を伺った。
瀬戸内海に浮かぶ島々を一望できる丘を自らの手で一からブドウ畑へと開拓。開拓の傍らで醸造技術も身につけ、5年で自家栽培醸造所を作り上げ、瓶内二次発酵によるスパークリングワインの醸造に成功。その成功の陰には、志賀氏の情熱と偶然そして、紡いできた人とのつながりがあった。
瀬戸内海に浮かぶ島々を一望できる丘を自らの手で一からブドウ畑へと開拓。開拓の傍らで醸造技術も身につけ、5年で自家栽培醸造所を作り上げ、瓶内二次発酵によるスパークリングワインの醸造に成功。その成功の陰には、志賀氏の情熱と偶然そして、紡いできた人とのつながりがあった。
志賀氏とワインの出会いは、アメリカのカリフォルニア。それまではワインに全く興味がなかったという。
仕事でカリフォルニアに滞在する機会があり、週末にワイナリーを訪れたことが初めての出会い。通うたびにワインに魅了され、自らの手でワインを造りたいという思いを抱いた。その後も起業し、全く別の仕事をしながらも、その思いを大事に育ててきた。
仕事でカリフォルニアに滞在する機会があり、週末にワイナリーを訪れたことが初めての出会い。通うたびにワインに魅了され、自らの手でワインを造りたいという思いを抱いた。その後も起業し、全く別の仕事をしながらも、その思いを大事に育ててきた。
志賀氏には、どうしても作り上げたいワインがあった。それは、瓶内二次発酵によるスパークリングワインだった。瓶内二次発酵は高品質なスパークリングワインの伝統的な醸造方法。しかしながら、作り方を真似ても、シャンパーニュ地方でとれるブドウと日本のブドウとでは全く味が異なる。日本のブドウで本場の味にも勝るとも劣らないものを作るべく、日本全国の瓶内二次発酵のワインを片っ端から集めて試した。
その中で、一番気に入ったワイナリーに弟子入りをして、醸造技術を学んだ。当然簡単に教えてくれるわけもなく、毎日タンク洗いをした。1年間働き続け、ようやく認められノウハウを教えてもらえるようになった。
学んだことに自身の工夫を加えて、生まれたのが「SHIMA CHAM(島シャン)」である。
ポイントは、澱を取り除くデゴルジュマンの際に糖分を調整するドサージュを行わない。本来、リキュールを加えることで甘みのバランスをとるが、ブドウ本来の風味を最大限生かすために、ブドウ本来の甘みを醸造技術によって引き出している。
ポイントは、澱を取り除くデゴルジュマンの際に糖分を調整するドサージュを行わない。本来、リキュールを加えることで甘みのバランスをとるが、ブドウ本来の風味を最大限生かすために、ブドウ本来の甘みを醸造技術によって引き出している。
つくりのこだわりに加えて、偶然にもたらされた地の利が加わっている。
母親が小豆島の出身で、幼いころは夏休みになると祖父母の家に来て、自然豊かな小豆島で過ごした楽しい思い出があり、いつか小豆島で暮らすことを夢見ていた。
224ワイナリーのロケーションは小豆島一択だった。
師匠から、「お前のこと、ええブドウ作ってるけど、今度作り方教えてくれ」といわれたが、特別な工夫もなく、「普通に作っているだけですよ」と説明したが信じてもらえず、専門家を連れて見に来られた時に、土壌分析もしてくださった。
それで判明したのが、偶然にも潮風にさらされる丘の土壌はワインのブドウ栽培には最良の土壌であったこと。ワイン造りの師匠から「この畑はだいじにせえよ」と言われたそうである。
母親が小豆島の出身で、幼いころは夏休みになると祖父母の家に来て、自然豊かな小豆島で過ごした楽しい思い出があり、いつか小豆島で暮らすことを夢見ていた。
224ワイナリーのロケーションは小豆島一択だった。
師匠から、「お前のこと、ええブドウ作ってるけど、今度作り方教えてくれ」といわれたが、特別な工夫もなく、「普通に作っているだけですよ」と説明したが信じてもらえず、専門家を連れて見に来られた時に、土壌分析もしてくださった。
それで判明したのが、偶然にも潮風にさらされる丘の土壌はワインのブドウ栽培には最良の土壌であったこと。ワイン造りの師匠から「この畑はだいじにせえよ」と言われたそうである。
地の利に加えて、これまで紡いできた人の力もあった。開拓するための重機を貸してくれる人や昔の後輩も畑づくりを手伝ってくれた。私一人では到底できなかったが、町役場の協力、力を貸してくれた人たちのおかげで、このワイナリーはあると感慨深く語ってくれた。
ブドウの搾りかすは家畜のえさとして農家さんへ無償で提供。香川大学の学生に授業の一環としてワインのラベルづくりのコンペの機会を提供し、商品化を実現。島のミカン農家の若者から規格外ミカンの再利用を相談された時にも、醸造を裏で支えてあげたという様々なエピソードを聞くと、人々の援助は志賀氏が紡いでこられた結果である。
ブドウの搾りかすは家畜のえさとして農家さんへ無償で提供。香川大学の学生に授業の一環としてワインのラベルづくりのコンペの機会を提供し、商品化を実現。島のミカン農家の若者から規格外ミカンの再利用を相談された時にも、醸造を裏で支えてあげたという様々なエピソードを聞くと、人々の援助は志賀氏が紡いでこられた結果である。
最後に、畑を見せてもらった。ブドウのほかにもレモンやリンゴを栽培していた。レモンは晩酌の焼酎などに入れるために個人的に栽培しているもので、商売とは関係ないと笑いながら話す。リンゴは次の夢であるシードルを醸すために栽培しており、来年からはシードル造りにもチャレンジしていくそう。
本当は作りたいものだけを作っていたいが、ワイナリーを営むうえで、品ぞろえは重要。 赤ワインが欲しいというお客様もいれば、白ワインがいいなど、千差万別。せっかく来てくださったお客様に喜んでもらうために、いろんなワインを造っている。ただ、喜んでもらうためにはいい加減なものは作れない。
SHIMA CHAMに限らず、すべてのワインにこだわりをもって醸造している。自分が作りたいものだけでは商売は成り立たない。お客様に選ばれてこそ、いいものが作り続けられると語る志賀氏に経営者の心構えを改めて教わった。