さあ、今月は瀬戸内を飛び出して、太平洋を渡りメキシコはオアハカへ!
みなさんは“リメンバーミ―”という映画を見たことがあるかしら?
映画の舞台となったオアハカの街並は信じられないくらいカラフルで陽気。
青空には旗が盛大にひるがえり、ダヤンは色を盗もうと筆を持っている
メキシコに来た主たる目的は、この美しい街にあるオアハカ文化センターでスペイン語留学”死者の日コース“に参加すること。
ナント、計画途中から娘の舞子も「私はメキシコ料理大好き!一緒に行きたい」と急遽参戦。
珍しく母娘で留学となり、出発前に舞子はスペイン語を猛勉強。
のどかにヤシが風に揺らぐ学校のスペイン語授業は9時から1時で、最後の1時間は戸外でゲームをしたりと、緩い感じでストレスなし。
広々中庭、教室は常に扉が開け放たれて開放感たっぷり
午後からは仮面づくりのワークショップで、実はこれがやりたかった!
お祭りって見ているだけじゃつまらない。
”死者の日コース“では自分の作った仮面をかぶって、コンパルサと呼ばれるパレードに加わることができるのだ。
せっかくだから、ダヤンを作ろうと思ったけど、これがムズカシイ・・
仮面を作る過程は本格的で、まず顔にワセリンをたっぷり塗り込み、石膏テープを切ったものを湿らせてどんどん貼っていく。自分ではできないので交代で貼る。
いわばデスマスクを作るってことで、生乾きのマスクを顔からメリメリとはがしていくのはちょっとした快感だった。
だけどねー、人と猫では顔の形が違うから。
一日置いたデスマスクに、ティッシュをせっせとボンドで貼り付けて、口元を猫っぽく、頬を膨らませて、更に段ボールをもらって大きな耳を貼り付ける。
あとは色付けでごまかして、なんとかダヤンの出来上がり!
お祭りって見ているだけじゃつまらない。
”死者の日コース“では自分の作った仮面をかぶって、コンパルサと呼ばれるパレードに加わることができるのだ。
せっかくだから、ダヤンを作ろうと思ったけど、これがムズカシイ・・
仮面を作る過程は本格的で、まず顔にワセリンをたっぷり塗り込み、石膏テープを切ったものを湿らせてどんどん貼っていく。自分ではできないので交代で貼る。
いわばデスマスクを作るってことで、生乾きのマスクを顔からメリメリとはがしていくのはちょっとした快感だった。
だけどねー、人と猫では顔の形が違うから。
一日置いたデスマスクに、ティッシュをせっせとボンドで貼り付けて、口元を猫っぽく、頬を膨らませて、更に段ボールをもらって大きな耳を貼り付ける。
あとは色付けでごまかして、なんとかダヤンの出来上がり!
かぶっても見えるように目が寄ってるけど、なかなかキュート
さあて、いよいよ11月2日は学校のコンパルサ。
舞子は毎日セントロ(街の中心)に通って、派手なスカートを買い、マリーゴールドの花輪も購入。“ケ・ボニータ(なんてかわいいの)!”とみんなに言われていた。
舞子は毎日セントロ(街の中心)に通って、派手なスカートを買い、マリーゴールドの花輪も購入。“ケ・ボニータ(なんてかわいいの)!”とみんなに言われていた。
舞子は和猫面。真ん中は仮面作りの先生
賑やかに楽隊が奏でる音楽とともに、強いお酒のメスカリを飲みながら、学校周辺から公園へと練り歩く。
私は仮面をかぶって、描いたり、踊ったりと大忙し。
でもさすが自分のデスマスク。案外よく見える。
私は仮面をかぶって、描いたり、踊ったりと大忙し。
でもさすが自分のデスマスク。案外よく見える。
みんなそれぞれの仮面で楽しい
上の絵の左端にあるのはオフレンダと呼ばれる祭壇。
死者への想いが込められたオフレンダはそれぞれの家庭や店先、ホテルなどあらゆるところに設けられている。
このオフレンダは授業中に作って、先生が「みんなも亡くなった方の好きだったものや写真を供えてね」と言ってくれたので、私は母や父の好きだったお酒やお菓子を買って供えた。
母と父もあの世で「メキシコから!」とびっくりしているだろう。
死者への想いが込められたオフレンダはそれぞれの家庭や店先、ホテルなどあらゆるところに設けられている。
このオフレンダは授業中に作って、先生が「みんなも亡くなった方の好きだったものや写真を供えてね」と言ってくれたので、私は母や父の好きだったお酒やお菓子を買って供えた。
母と父もあの世で「メキシコから!」とびっくりしているだろう。
舞子はかわいがっていた猫、クロの絵を描いて供えたよ
学校へ通うため、9日間滞在したホームステイ先は大当たりだった。
家主は空港まで迎えに来てくれたり、美味しいタコス屋を教えてくれたりととても親切。
朝ごはんはフルーツにジュース、コーヒー、モレというソースをかけたお菓子のようなパンやトルティージャとお腹にやさしいものばかり。
家主は空港まで迎えに来てくれたり、美味しいタコス屋を教えてくれたりととても親切。
朝ごはんはフルーツにジュース、コーヒー、モレというソースをかけたお菓子のようなパンやトルティージャとお腹にやさしいものばかり。
このパンにはバナナが入ってるの
それぞれが個室で、広くて明るい部屋は快適極まりない。
ただオアハカは水が少なく、紙をトイレに流してはいけないというのがちょっと困るけど、ま、たいしたことではない。
学校が近いのもすごくありがたかった。
しかも、猫がいるのだ!
ただオアハカは水が少なく、紙をトイレに流してはいけないというのがちょっと困るけど、ま、たいしたことではない。
学校が近いのもすごくありがたかった。
しかも、猫がいるのだ!
白い目張りでたっぷり大きい猫のピラータ
メキシコにはあまり野良猫がいなくて、野良犬ばかり。
猫はおおむね家の中に納まっているようだ。
中庭のある家が多いから、猫も家にいるほうが快適なのかも。
学校にも猫がいて、みんなにかわいがられていた。
猫はおおむね家の中に納まっているようだ。
中庭のある家が多いから、猫も家にいるほうが快適なのかも。
学校にも猫がいて、みんなにかわいがられていた。
このこはウイチャ。学校一の人気者
そして死者の日の街はと言えば、ガイコツオンパレード。いたるところに現れてくる。
愉快なガイコツの壁画、窓にもガイコツ、テラスにもカフェの入り口にもガイコツが立ったり座ったり。あげくは道一面に砂でガイコツが作られている。
スペイン語でカラベラと言われるガイコツは“死は幸せであること”の象徴。
だからガイコツたちは踊ったり、おしゃれをしたり、楽器を弾いたりと人生?を思いきり楽しんでいる。
見ているこっちまで明るい気分になっちゃう、いたって陽気なガイコツなのだ。
”リメンバーミ―“の中でも死者の国のガイコツはめちゃくちゃ人間くさい存在だったね。
愉快なガイコツの壁画、窓にもガイコツ、テラスにもカフェの入り口にもガイコツが立ったり座ったり。あげくは道一面に砂でガイコツが作られている。
スペイン語でカラベラと言われるガイコツは“死は幸せであること”の象徴。
だからガイコツたちは踊ったり、おしゃれをしたり、楽器を弾いたりと人生?を思いきり楽しんでいる。
見ているこっちまで明るい気分になっちゃう、いたって陽気なガイコツなのだ。
”リメンバーミ―“の中でも死者の国のガイコツはめちゃくちゃ人間くさい存在だったね。
個性豊かなガイコツたち
そもそも「死者の日」というのは亡くなった人の魂が現世に戻ってくることを祝う日で、
いわば日本のお盆。
家族や友人が集まり、亡くなった人をしのんで語り合う日なのだ。
日本と違う点は、あくまで明るく楽しい「お祭り」であるという点かしら。
メキシコでは、古来から祖先のガイコツを身近に飾っておく習慣があり、恐いイメージのあるガイコツも、人形を作って飾ったり、メイクや衣装で仮装したりしてお祭りのモチーフとなっているのだ。
いわば日本のお盆。
家族や友人が集まり、亡くなった人をしのんで語り合う日なのだ。
日本と違う点は、あくまで明るく楽しい「お祭り」であるという点かしら。
メキシコでは、古来から祖先のガイコツを身近に飾っておく習慣があり、恐いイメージのあるガイコツも、人形を作って飾ったり、メイクや衣装で仮装したりしてお祭りのモチーフとなっているのだ。
ソカロの仮装コンテスト
学校の行事で夜中にお墓を二つ見に行った。
その賑やかなことと言ったら、まさにお祭り騒ぎで、墓地への道には屋台がたくさん出ている。それぞれの墓地は家族で賑わい、ろうそくがたくさん灯されている。
死者を導くといわれる黄色いマリーゴールドもふんだんに飾られて、夜中であるにもかかわらず、新たにどんどん運び込まれてくる。
美しく飾られたお墓の前で親族や友人たちが集い、朝まで語り合って楽しむという風習はホントに素敵。若い人もいっぱいいる。
私は昼間にキラキラペンを購入。黒い紙に新聞をコラージュして、描く気満々だったけど、やっぱりろうそくの灯りは暗くてよく見えない。
おりしも空には満月。お墓はいよいよ白々と輝く。
その賑やかなことと言ったら、まさにお祭り騒ぎで、墓地への道には屋台がたくさん出ている。それぞれの墓地は家族で賑わい、ろうそくがたくさん灯されている。
死者を導くといわれる黄色いマリーゴールドもふんだんに飾られて、夜中であるにもかかわらず、新たにどんどん運び込まれてくる。
美しく飾られたお墓の前で親族や友人たちが集い、朝まで語り合って楽しむという風習はホントに素敵。若い人もいっぱいいる。
私は昼間にキラキラペンを購入。黒い紙に新聞をコラージュして、描く気満々だったけど、やっぱりろうそくの灯りは暗くてよく見えない。
おりしも空には満月。お墓はいよいよ白々と輝く。
ダヤンに笑いかける新聞のガイコツがかわいいでしょ!
先住民の人口比率がメキシコで一番多いオアハカは本当に素敵な街だった。
木彫りや木版画など独特の文化も魅力的。
木彫りや木版画など独特の文化も魅力的。
版画のギャラリーもいっぱい。鮮やかな木彫りは土産物として売られている
渡航前には「メキシコは危険だから気を付けて!」と言われたけれど、オアハカの人たちに危うさは全くない。通りすがりに目があえば、小さく「オラー!」と言って微笑んでくれる。
どこでも歩いて行けるくらいの程よい規模に穏やかでやさしい人たち。
美しい街だけでなく、オアハカの周りは山々に囲まれ、雄大な自然が広がっている。
さて、エキサイティングなメキシコを後に、来月からはまた個性あふれる島々や猫たちを訪ねる「ダヤンの瀬戸内ぶらぶら旅」に戻ります。
こちらもお楽しみに!
どこでも歩いて行けるくらいの程よい規模に穏やかでやさしい人たち。
美しい街だけでなく、オアハカの周りは山々に囲まれ、雄大な自然が広がっている。
さて、エキサイティングなメキシコを後に、来月からはまた個性あふれる島々や猫たちを訪ねる「ダヤンの瀬戸内ぶらぶら旅」に戻ります。
こちらもお楽しみに!
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作家プロフィール
池田あきこ
東京、吉祥寺生まれ。
1976年、革工房わちふぃーるど設立。
1983年、初の直営店を自由が丘にオープン。ショップのシンボルマークとして『猫のダヤン』が誕生した。
1987年より不思議な国わちふぃーるどを舞台に絵本を描き始め、画集、長編物語、旅のスケッチ紀行など多方面に作品を発表。著書は130タイトルを超える。
1999年、初の原画展全国ロードを開始。
2010年から「ボルネオ緑の回廊」プロジェクトで、動物たちに安全な森をプレゼントする活動を続けている。
2018年、立体的に世界を楽しむ「猫のダヤン35周年 ダヤンと不思議な劇場 池田あきこ原画展」を松屋銀座を皮切りに全国ロード開催。河口湖木ノ花美術館にて常設展開催中。
2023年6月28日より猫のダヤン40周年記念展『池田あきこ原画展ーダヤンの不思議な旅』を銀座松屋で開催。
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