関門の台所と呼ばれる唐戸市場に行ってみて、イヤ驚いた！
市場に着いたのは昼前なのに、盛んだった頃の築地よりもっと人が多い。
通常、市場って朝がうんと早いから、閑散としているかと思ったけどとんでもない。
市場に入る前から、海岸沿いには大勢の人が手に手に皿や椀を抱えて、美味しいものを食べながら、海を眺めながらの休日を楽しんでいる。
そして館内にはいれば、馬関街のすばらしいこと！
馬関街とは唐戸市場の中で土日祝日だけ、たくさんの海鮮屋台が出現して、出来立ての魚料理を味わえるイベントのこと。
馬関街には、その日に上がった魚までもが、寿司や丼となって、賑々しく並んでいるのだ。

どの通路もひとでいっぱい

こんな市場見た事ない！
即効性のうまそうに客は群がり、大興奮。
私も興奮して、食べるより先にスケッチ。美味しそうなものは筆が進むわ。

こうした生魚の店は閉まるのが早い

寿司すし寿司！週末土日の馬関街は“寿司祭り”

邪道かもしれないけどカップ寿司も美味しそう

このほかに海鮮丼なんかもあって描き切れない

海岸にいた人たちはこういうものを買って食べていたのね。
ラインだけさっくり引いて、色付けは後。
もう我慢できず、市場を取り巻くように並ぶ二階の食堂街へ。
“海転からと市場寿司”で口腹の快楽。
馬関街も回転寿司もけして安いわけではないけど、お祭りみたいではしゃぎたくなる。

クジラの寿司初めて食べた！

舞満腹で海風に吹かれながらの色付けは楽しい

さて、唐戸市場を後に、次なる目的地笠戸島を目指す。
瀬戸内海にポコッと飛び出した笠戸島は入り組んだ海岸線が変化に富み、大小無数の奇岩が点在する海と緑が美しい。
今日の泊りは西の岬にある大城温泉。
ちょうど夕日が沈むのに間に合ったので、海が一望のロビーから、雄大な空から海へと身を移すおおらかな夕日を描く。

ちょっと曇っているけど、それもまたよし

笠戸島大城は国民宿舎なのに晩ごはんはふく尽くし。
ふくサシ、ふくしゃぶしゃぶ。ふくときのこの土瓶蒸し。
ちなみにこの“ふく”という呼び方。あえてふぐの産地下関や西の方では福とかけて“ふく”と呼んでいるよう。

ふくの旨味は即効ではなく、しばらくして口の中に広がる

ふくもステキだけれど、ヒラメの漬け丼が私的には絶品だった。
朝ごはんにもヒラメの漬け丼を茶漬けにしたものを食べて、ヒラメの養殖をしている下松市栽培漁業センター“通称”ひらめきパーク“を見に行った。
猫職員がさまざまな仕事に従事している所は微笑ましく頼もしいが、観光部門の職員は月曜朝から寝てばかりとはいかがなものか？

ねこ団子はかわいい！

ヒラメ養殖はとても大掛かりで面白かった。
水産業が盛んな山口県は海鮮グルメの宝庫で、フグはもちろん、クジラ、アンコウなど珍しい海の幸も日本一。
ひらめきパークで養殖している笠戸ヒラメの90%は県内消費ですと。
素晴らしいご馳走県だね！

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作家プロフィール

東京、吉祥寺生まれ。
１９７６年、革工房わちふぃーるど設立。
１９８３年、初の直営店を自由が丘にオープン。ショップのシンボルマークとして『猫のダヤン』が誕生した。
１９８７年より不思議な国わちふぃーるどを舞台に絵本を描き始め、画集、長編物語、旅のスケッチ紀行など多方面に作品を発表。著書は１３０タイトルを超える。
１９９９年、初の原画展全国ロードを開始。
２０１０年から「ボルネオ緑の回廊」プロジェクトで、動物たちに安全な森をプレゼントする活動を続けている。
２０１８年、立体的に世界を楽しむ「猫のダヤン３５周年　ダヤンと不思議な劇場　池田あきこ原画展」を松屋銀座を皮切りに全国ロード開催。河口湖木ノ花美術館にて常設展開催中。
２０２３年６月２８日より猫のダヤン４０周年記念展『池田あきこ原画展ーダヤンの不思議な旅』を銀座松屋で開催。