港町の雰囲気溢れる門司港は明治初期に開港して130年。
門司港には明治から昭和にかけて建築された、趣きのある建物が沢山残っている。
古くから海外に向けての扉を開いた港街には独特のムードがあって、住む人たちもそれを自慢にする気持ちが強い気がする。横浜みたいにね。
門司港もレトロを前面に押し出していて、駐車場にまでレトロパーキングと書いてある。
大正3年に建てられたルネッサンス式木造駅舎は夜もライトアップされてかっこいい。
ノスタルジックな門司港駅舎
待合室もホームもクラシック
翌日、トロッコ列車“潮風号”に乗ってみた。
九州鉄道記念館から関門海峡めかり駅まで2,1キロ、15分。
時速は15キロと日本一遅くて、日本一短い路線はとってものどか。
歩いても終点まで行けちゃう距離だけど、木のテーブルに肘をついて、レトロ地区から対岸に下関を臨む海岸線を車窓に眺めながらのんびり走るのは悪くない。
道を歩く人たちと手を振りあったりするのもなんだかなごむ。
九州鉄道記念館から関門海峡めかり駅まで2,1キロ、15分。
時速は15キロと日本一遅くて、日本一短い路線はとってものどか。
歩いても終点まで行けちゃう距離だけど、木のテーブルに肘をついて、レトロ地区から対岸に下関を臨む海岸線を車窓に眺めながらのんびり走るのは悪くない。
道を歩く人たちと手を振りあったりするのもなんだかなごむ。
見かけもかわいい潮風号でレッツゴー!
潮風号からレトロ地区のノスタルジーを眺めるのも乙なもの
めかりに着く前にはトンネルを抜ける。
暗くなると、関門海峡に棲む魚たちが描かれた天井の絵が青く光って浮かび上がるのが、思いがけなくてキュート!
この路線は石灰やセメントを運んでいた貨物用を九州銀行が観光として復活させたそう。
暗くなると、関門海峡に棲む魚たちが描かれた天井の絵が青く光って浮かび上がるのが、思いがけなくてキュート!
この路線は石灰やセメントを運んでいた貨物用を九州銀行が観光として復活させたそう。
暗くなれば天井に現れる海底の魚たち
めかり駅からは関門橋と潮風号が同時に見られるよ
始発駅である九州鉄道記念館には鉄道の歴史や遊びがいっぱい
めかりに着いたら、関門海峡を歩いて渡れるトンネルに。
エレベーターで地下50メートルまで降りると、トンネルがある。
トンネル自体は何の変哲もないけれど、途中で福岡県から山口県に変わる線が引いてある。
ここが関門海峡の海中深い場所だと思うと、その線を越えるのがステキな事に思えて、誰もが立ち止まって写真を撮らずにはいられない。
自転車やバイクも押していけば渡る事ができる。
エレベーターで地下50メートルまで降りると、トンネルがある。
トンネル自体は何の変哲もないけれど、途中で福岡県から山口県に変わる線が引いてある。
ここが関門海峡の海中深い場所だと思うと、その線を越えるのがステキな事に思えて、誰もが立ち止まって写真を撮らずにはいられない。
自転車やバイクも押していけば渡る事ができる。
ここからエレベーターで地下深くもぐっていく
九州と本州をひとっ跳びなんだから、県名より九州、本州って書けばいいのに
あまり聞いたことなかったけど、門司港にはびっくりするくらい焼きカレーの店が多い。
昭和30年代に栄町銀天街の喫茶店が余ったカレーをドリア風に焼いて出した所好評だったため、名物料理となったんですって。
どこの店でも焼きカレーの看板をかかげているので、“これはひとつ食べてみないと!”と強迫観念にかられるように、評判が高いと言われる店に入ってみた。
私は“昔ながらの焼きカレー”を注文。
食べる前にスケッチを始めたら、「絵を描き終わったら、もう一度温めるのでお知らせください」とお店の方が暖かい心遣いの申し出をしてくれた。
うれしいね!
温め直してくれた焼きカレーは香ばしくて、チーズとの相性も良く、ほのかに出汁も隠し味でとても美味しい。
薬味にはラー油と福神漬けがたっぷり出される所もありがたい。
昭和30年代に栄町銀天街の喫茶店が余ったカレーをドリア風に焼いて出した所好評だったため、名物料理となったんですって。
どこの店でも焼きカレーの看板をかかげているので、“これはひとつ食べてみないと!”と強迫観念にかられるように、評判が高いと言われる店に入ってみた。
私は“昔ながらの焼きカレー”を注文。
食べる前にスケッチを始めたら、「絵を描き終わったら、もう一度温めるのでお知らせください」とお店の方が暖かい心遣いの申し出をしてくれた。
うれしいね!
温め直してくれた焼きカレーは香ばしくて、チーズとの相性も良く、ほのかに出汁も隠し味でとても美味しい。
薬味にはラー油と福神漬けがたっぷり出される所もありがたい。
焼きカレーならここ!と評判が高いのも納得の味と対応
レトロ地区の下関を臨む海岸線には洒落た店が立ち並び、関門海峡大橋も空高く聳えて海外からの観光客も含め大賑わい。
それに引き換え、焼きカレー発祥と言われる栄町銀天街は対照的にさびれてシャッターを閉めた店も多い。なかなか街というのは難しいものだ。
それに引き換え、焼きカレー発祥と言われる栄町銀天街は対照的にさびれてシャッターを閉めた店も多い。なかなか街というのは難しいものだ。
バナナのたたき売りも門司港発祥ですって!実物見たかった
その後、今度は車で関門トンネルを通って下関に渡ってみた。
浜には壇ノ浦の合戦、義経八艘跳びと碇の綱を体に巻きつけた智盛の像がある。
その昔、義経率いる源氏800艘と彦島を発した平家の軍船500艘はここ壇ノ浦で対峙。
初めのうちは、潮が逆巻いて流れ落ちるような急流に乗って平家が有利に戦い、潮に向かった源氏の船は押し返された。
けれど戦のただ中に潮目が変わり、上手く潮を操った源氏側に有利になり、とうとう平家は滅亡。
潮の変わり目とはこのことよ!
泳いでだって渡れそうなほど短く見えるこの海峡に1500もの船がひしめいて、平家が凄惨な最期を遂げたのかと思うと、海が静かなだけに恐ろしく見える。
門司港側から見た時は「なんか泳いで渡れそう」と気楽に言ってみたけど、「とても無理ですよ。関門海峡の潮の流れのキツさで、関サバや関アジが美味しくなるんだから」と言われた。
壇ノ浦の合戦を想えば、ここを泳ぐなんてそら恐ろしいことをよく言えたものだ。
浜には壇ノ浦の合戦、義経八艘跳びと碇の綱を体に巻きつけた智盛の像がある。
その昔、義経率いる源氏800艘と彦島を発した平家の軍船500艘はここ壇ノ浦で対峙。
初めのうちは、潮が逆巻いて流れ落ちるような急流に乗って平家が有利に戦い、潮に向かった源氏の船は押し返された。
けれど戦のただ中に潮目が変わり、上手く潮を操った源氏側に有利になり、とうとう平家は滅亡。
潮の変わり目とはこのことよ!
泳いでだって渡れそうなほど短く見えるこの海峡に1500もの船がひしめいて、平家が凄惨な最期を遂げたのかと思うと、海が静かなだけに恐ろしく見える。
門司港側から見た時は「なんか泳いで渡れそう」と気楽に言ってみたけど、「とても無理ですよ。関門海峡の潮の流れのキツさで、関サバや関アジが美味しくなるんだから」と言われた。
壇ノ浦の合戦を想えば、ここを泳ぐなんてそら恐ろしいことをよく言えたものだ。
義経もさることながら、首を盗られないよう碇を担いで入水した平知盛が印象的
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作家プロフィール
池田あきこ
東京、吉祥寺生まれ。
1976年、革工房わちふぃーるど設立。
1983年、初の直営店を自由が丘にオープン。ショップのシンボルマークとして『猫のダヤン』が誕生した。
1987年より不思議な国わちふぃーるどを舞台に絵本を描き始め、画集、長編物語、旅のスケッチ紀行など多方面に作品を発表。著書は130タイトルを超える。
1999年、初の原画展全国ロードを開始。
2010年から「ボルネオ緑の回廊」プロジェクトで、動物たちに安全な森をプレゼントする活動を続けている。
2018年、立体的に世界を楽しむ「猫のダヤン35周年 ダヤンと不思議な劇場 池田あきこ原画展」を松屋銀座を皮切りに全国ロード開催。河口湖木ノ花美術館にて常設展開催中。
2023年6月28日より猫のダヤン40周年記念展『池田あきこ原画展ーダヤンの不思議な旅』を銀座松屋で開催。
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