萩の街には“奇兵隊160年”ののぼりがあちこちで風にはためいていた。
奇兵隊とは江戸末期に、長州藩の高杉晋作らが結成した身分を問わない軍隊だ。
萩は維新の立役者であり、その後の明治政府で活躍した華やかな人材を今もずっと忘れずに盛り上げている。
しゃれた洋風建物のほとんどが資料館になっている萩駅舎でも奇兵隊160年に合わせて、イギリスに密航した伊藤博文など5人の“長州ファイブ展”を開催していた。
「生きた器械」になるという意気込みの元、日本近代化に貢献した長州誇りの写真展で、なんと長州ファイブの自販機まである。
なんだかアイドルみたいだ。
古くは長州、今も山口県人は議論好き、政治好きで、これまでに総理大臣が8人も出ている。
風情ある萩駅で駅として使われているのはここだけ
「動けば雷電の如く、発すれば風雨の如し」と言われた高杉晋作。
そのかっこいい男の生家は城下町菊屋横丁にある。
江戸時代の地図を持って歩けるという歴史保存地区の街並みはステキ。
白の塀に黒っぽい格子や瓦などシンプルで美しい。
塀からはみ出すような夏ミカンがモノクロームの街並に映えている。
萩の夏みかんは明治初期に生活の術を失った士族たちを救うため、空き地となった武家屋敷などで広く栽培されたそうだ。
結果「夏みかんと土塀」は萩の代表的なシンボルとなって、観光客を呼び寄せているというわけなのだ。
菊屋横丁で描いているとたくさんの観光客がのぞき込む
結構時間がかかって、やっとスケッチが完成!
翌日は又萩の歴史地区へ。
なんと萩城は木戸孝允が廃藩置県の際、長州が見本を見せる為、もう城は要らない時代なのだと言って真っ先に城を解体したという。
毛利の支流である目口邸の庭には250年と400年のシイノキが生えていて、その根のはり方がすごかった。籠城の際椎の実を食べられるので、シイノキを植えたという。
なんと萩城は木戸孝允が廃藩置県の際、長州が見本を見せる為、もう城は要らない時代なのだと言って真っ先に城を解体したという。
毛利の支流である目口邸の庭には250年と400年のシイノキが生えていて、その根のはり方がすごかった。籠城の際椎の実を食べられるので、シイノキを植えたという。
城の人々を支えたシイの根っこがすごい!
萩から南へ車で一時間ほどで湯田温泉へ到着。
湯田温泉は白狐の湯と言われ、狐によって発見された湯との事で、湯の街中のいたるところにキツネが隠れている。
まずは湯田温泉駅の8メートルあるゆうた。天に伸びる姿がのびのびしていていい。
湯田温泉は白狐の湯と言われ、狐によって発見された湯との事で、湯の街中のいたるところにキツネが隠れている。
まずは湯田温泉駅の8メートルあるゆうた。天に伸びる姿がのびのびしていていい。
青空に映える白キツネ
シンプルだから描くのはカンタン
街中にひそむキツネたちはなんだか全体猫っぽく、招きのポーズを取ったりしていて、いまいちキツネっぽくないけれど、探していくうちにキツネ愛が湧いてきた。
散歩しながら、穏やかなキツネ狩りをしている気分。
散歩しながら、穏やかなキツネ狩りをしている気分。
キツネ狩りは案外楽しい!
“狐の足あと”というカフェでは足湯に浸かりながらお茶やデザートを食べたりできて、素敵なお休み所となっている。
庭にも足湯があって、こういう核になる場所があるから、キツネ探しもやる気がでるね。
庭にも足湯があって、こういう核になる場所があるから、キツネ探しもやる気がでるね。
足湯とスイーツのささやかな極楽
店も人も心地いい
足湯にあまり興味は無かったけれど、小寒い日に足を温めるのは気持ちいいものだねー。
身も心もほぐれていくよ。
身も心もほぐれていくよ。
日本人に生まれてよかった~
といい気分に浸ったところで、“ぶらぶら旅”を読んでくださったみなさまにお別れのご挨拶。
瀬戸内から時々は瀬戸内を飛び出しての“ぶらぶら旅”はとても楽しかったけど、一年ちょっと続いたこの連載はいったんおしまいになります。
今までご愛読ありがとうございました!
又どこかでお会いしましょう!
瀬戸内から時々は瀬戸内を飛び出しての“ぶらぶら旅”はとても楽しかったけど、一年ちょっと続いたこの連載はいったんおしまいになります。
今までご愛読ありがとうございました!
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作家プロフィール
池田あきこ
東京、吉祥寺生まれ。
1976年、革工房わちふぃーるど設立。
1983年、初の直営店を自由が丘にオープン。ショップのシンボルマークとして『猫のダヤン』が誕生した。
1987年より不思議な国わちふぃーるどを舞台に絵本を描き始め、画集、長編物語、旅のスケッチ紀行など多方面に作品を発表。著書は130タイトルを超える。
1999年、初の原画展全国ロードを開始。
2010年から「ボルネオ緑の回廊」プロジェクトで、動物たちに安全な森をプレゼントする活動を続けている。
2018年、立体的に世界を楽しむ「猫のダヤン35周年 ダヤンと不思議な劇場 池田あきこ原画展」を松屋銀座を皮切りに全国ロード開催。河口湖木ノ花美術館にて常設展開催中。
2023年6月28日より猫のダヤン40周年記念展『池田あきこ原画展ーダヤンの不思議な旅』を銀座松屋で開催。
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